【書籍レビュー】リンダ・グラットンの「Work Shift」を読んだ。
電通の事件やプレミアムフライデーとかで働き方が見直される中、すっかり感化されてしまい、アマゾンでちきりんの「自分の時間を取り戻そう」を読んでからのレコメンドで出てきた「Work Shift」の感想です。
内容
働き方の未来にとりわけ大きな影響を及ぼす五つの要因 (テクノロジ ーの進化 、グロ ーバル化の進展 、人口構成の変化と長寿化 、社会の変化 、エネルギ ー ・環境問題の深刻化 )
により、この先、自分らしく健全に生きてくには、働き方をシフトしなければならない。
まずは事例を紹介しつつそれぞれの問題点を提示があります。
それらに対して、
第一は 、職業人生を通じて 、自分が興味をいだける分野で高度な専門知識と技能を習得し続けること 。第二は 、友人関係や人脈などの形で人間関係資本をはぐくむこと 。とくに 、強い信頼と深い友情で結ばれた少数の友人との関係を大切にしながら 、自分とは違うタイプの大勢の人たちとつながり合うことが大切になります 。第三は 、所得と消費を中核とする働き方を卒業し 、創造的になにかを生み出し 、質の高い経験を大切にする働き方に転換することです 。
大学が実務技能中心になったり、幅広い人脈を作る意思高い系が増えたり、高望みせずモノよりコトなサトリ世代もきっとこのシフトが社会全体で起こってるからなのでしょうね。
そもそも誰に向けた内容なのか。
もちろん誰が読んでも損はないのですが、本の中で出てくるマズローの欲求段階説の「安全の欲求」をクリアしてることを前提とした内容でした。
主体的に働き方を選択できるには、そもそもそれなりに基本的なスキルがあり最低限の生活の安定が不可欠かと思います。
そういった意味での最低限の安全を本当にクリアしてる人はいったいどれくらいいるんでしょうか?
金銭で安全の欲求は解決できるとされてますが、
例えば残業代はしっかり出てるけど過労死してしまうような環境で働いてる人は、実は解決できてないのかもしれません…
自分にとっての最低限の安全とはどのような生活水準なのか、今後に備えてシフトできる環境とはどのような環境なのか。
それらを確保するにはどのような働き方をすべきなのか改めて考えさせられました。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: ハードカバー
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