小説は、わかってくればおもしろい:文学研究の基本15講 文学部の学生を対象に書かれた本ですが、文学研究って何?なんの意味があるの?って思ってる人にもおすすめ。

内容は、小説の分析概念、調査方法についての解説です。それらを理解する過程で、文学研究とは何なのか、大枠を知ることができます。

文学や文学研究が、現在〈役に立たない〉とみなされるのには、現代の研究現場では既にほとんどなされていない、かつての〈鑑賞〉的なイメージに世間が引きずられていることも大きいのではないかと思います。

僕も上記の偏見を持っていましたが、想像以上に客観性を重視してると知り、文学研究がれっきとした研究だと認識しました(超失礼)。

その他メモした箇所。

文学研究では、考え方や結論は、他の人が全員同意するものでなくてよい、しかし、どうしてそうなったのか、その過程が、誰にでも再検討可能なように明示されていること、この後者の部分を客観性と呼んでいる

科学研究とかの、再現性と複製可能性みたいな感じですね。

本書で、はじめてテクスト(織物)って概念と、その文学理論について知ったのですが、むちゃくちゃ面白いですね。
作品や作者を分析する伝統的な研究スタイルと違い、読者に焦点を当てたテクスト概念。
音楽とかにも置き換えれそう。

文学研究の強みは、何かが言語化されることの特別さを意識でき、言語化につきものの偏向を分析できることです。

テクストの概念では、小説も事実も同じ平面上にあるので、例えば、ニュースなどの分析にも活かせます。
具体的なテクストの分析手法については割愛し、とりあえず、文学研究は鑑賞するような娯楽ではなく、実生活に役立つ研究である、ということをお伝えします。

最近のヘビロテ

DOUBLECAMP Confetti

12月6日に発売された、インディーポップデュオDOUBLECAMPのデビューEPより。Confettiって紙吹雪って意味なんですね。

以上!